学会とノーベル物理学賞
9月13日から16日まで金沢大学で日本物理学会がありました。
「Majoranaフェルミオン系におけるエンタングルメントのダイナミクス」というタイトルで4日目午前に発表しました。
今回の発表では、Majoranaフェルミオン系(Kitaev模型)において、エンタングルメントスペクトル(ES)とストリング相関の動的な対応関係とESの縮退数の動的な変化を議論しました。
考え自体は固有状態のESとストリング相関関数の対応を示した私の論文”Topological and dynamical properties of a generalized cluster model in one dimension”でやったようなことと似ています。
珍しい研究だったようなので、今回も新規の聴衆が数人来ました。
解釈はとても単純だけど解析が甘いと指摘され、その通り過ぎてすみませんという感じでした。
そのダイナミクスを支配する有効理論でも作れるといいのですが、出来るものなのですかね?
分かったら論文まで一気にいけそうな雰囲気かな。
さて、次の学会は何を話そうか。
ていうか発表できるかな?
今月、ノーベル物理学賞の発表がありました。
受賞者はKosterlitz、Thouless、そしてHaldaneでした!
授賞理由は、トポロジカル転移と物質のトポロジカル相の理論的発見です。
公式ページの英語記事(advanced information)
はとても面白いです。
これは数式が出てくるので、嫌だったら一般向けの記事として、図を使って平易によく書かれている
や、簡潔な
があります。
自分で解説した方がブログのアクセスが増えるかな~なんて思いつつ、書かない。
気力があれば書きます。
今回の受賞は私にとっても、大変嬉しいものです。
私の研究もトポロジカル相に関する理論的な研究だから身近に感じれたし、トポロジカル系という少しマニアックな
分野も評価されたことも嬉しいです。
(研究室に学生が増えるといいな。)
来年のノーベル物理学賞は重力波だろうけど、数年後、再びトポロジカルが受賞できるんじゃないかと期待しています。
今月は京大で桂先生の集中講義(すでに終わったけど、講義サポートページが役に立つ)と、明日から基研で超伝導の研究会がありますね。
見てる人いないだろうけど、興味がある人はどうぞ!